2009年5月16日土曜日

№13 寒さとの戦い

2008/12/28 中国丹東2

今日は思わぬお金を使ってしまった。かなり痛い。
あまりに寒くて服を買ったのだ。

お金がないので中国銀行で換金した。
探して換金するのに3時間もかかった。疲れる。

しかし、現金を使いたくないのでクレジットカードの使える店を選んだ。
それにも関わらず、服を買い終わって支払いの段階で使えないという。
文句を言っても通じないので、しかたなく、現金で支払った。

その後裏の露天で服の金額を見たら、同じようなのが20元で売っていた。
350:20なんなんだこの差は。
自分がもっと調べて買えばよかったのだ。損をした。とても悔しい。

損をすると本当に悔しい。

昨夜のホテルは、どうも飲み屋が並列しているらしく、
夜10時頃沢山のお客が廊下で女と騒いでいた。
同じような部屋がずらっと並んでいたので、変だなと思ったら、
やはりそういう宿だった。

宿泊費は180元だ。しかし、外で見た金額は80元だった。
外国人だから倍取られた。交渉すれば良かったのかな。
とりあえずチエックアウトして今日行かなければならない
北朝鮮との境の川にいく。

そこへは15分ほどで着くというので、安心して出かけた。
―しかし、それはMrxのウソであった。

川の方向が分からないので、紙に書いて見せながら歩いた。
しかし、歩けども、歩けども着かない。

もう小1時間歩いた。迷いに迷い寒くて死にそうになる。
マイナス15度。

暖かな服が欲しい。タクシーに乗りたい。
しかし、今日だけは歩いてみよう。なにせ、まだ時間が早い。

お金を出せば何でも楽に手に入る。お金のありがたみが分かる。

やっと着いた。体は冷え切った。小こりのようだ。

俺は切符売り場に向かう。

切符をくれというが通じない。またか・・・どうして分からないのか。
ここで、ラーメンをくれというわけがない。切符に決まっているじゃないか。

電子辞書をだし切符をください。と音声でいった。
ああ、といいすぐに切符をくれた。ため息が出た。

何時に出発か聞いた。30分後だった。
とりあえず船に向かった。
韓国籍の船だ。お姉さんが早く乗せてくれた。ありがたい。

この川の向こうが北朝鮮だ。大きな橋が架かっている。
必要な物資の移動なのか。

客が乗ってきて満席になった。客は中国人のようだ。
丹東は観光地でもあるので、沢山の中国人が観光に来る。
船が出発した。川から見る中国はすごい。なんだこれは?!

まるでドバイだ。ものすごい数のマンション群が完成している。
数十キロに渡り、マンション、ビルが立ち並ぶ。全て高層だ。

船から右を見ると近代都市、左を見ると、どんよりとした灰色の世界の北朝鮮。
さび色の世界だ。あまりの格差に目を疑う。

写真、ニュースなどで見ていたが、自分の目で見る北朝鮮は、
赤さび色の世界だった。静かだ。中国が動、北朝鮮が清。
客は陽気で騒いでいた。船の女も元気に解説をし、売り込みをしている。

観光はどこの国でも同じだ。
電車の駅でも、観光客、帰省客などが沢山の荷物を抱え行き来している。
日本とどこが違うのかといえば服の色が違う。
日本はもう少し華やかな色を身にまとっている。
中国は、黒、灰色の服が多い。ももひきも100%の人が履いている。

俺はどんなに寒くてもももひきは履きたくなかった。
もし、何かで病院に担ぎ込まれ、服を脱がされる。ももひきを履いている。
死んでも嫌だ。恥ずかしい。

俺は凍傷になってもももひきは履かない。

船は北朝鮮に限りなく近づいていく。近寄っても色がない世界だ。
しかし、振り向くと近代。
このギャップには笑ってしまった。30分ほど航海し船は帰った。

船から下り、少し歩いた。
寒い!無理。タクシーを拾いバスターミナルに向かった。
―本当はバスを使わなければならないのだが・・・

切符売り場に行きチチハル行きがあるか調べた。
次の行き先がチチハルというところだった。

あった!午後4時発。ちょうど24時間後にチチハルに着く。これを買う。
切符の買い方は分かっていた。売り場に行き寝台を買った。
座ってでは24時間は無理。無理すればいけるかも知れないが旅は長い。
ここは、少し贅沢をすることにし寝台を買った。
170元。出発まで時間があった。チチハルは寒い。カムチャッカの緯度だ。

しかし、なんでチチハルなのか?なにか大切なものでもあるのか?

風を引いたらおしまいなので、しかたなく暖かい服を買いに行った。
カードで買おうと思い、デパートに行った。―同じことを2回書いている。
寒くて思考が働かない。
しかし、カードが使えない。なんでー?仕方なく、町を探した。
何件かにカードが使えるか聞いた。

どこもダメだ。ナイキに入った。カードが使えるという。
ラッキーと思い、ナイロンのズボン、長袖の下着、帽子、手袋を買った。
日本円で13000円くらい。高い!

支払いの段になりカードが使えないという。
別のカードを出したがダメだ。仕方なく現金を払う。
元が無くなった。店の子に、両替に付き合ってくれと頼んだ。
OKと気持ちよく一緒に銀行に行ってくれた。

中国銀行だ。銀行の前には怪しい男が両替しないか聞いてきた。
店の女の子が、ダメだといい中に入った。
受付の銀行員が手続きをしてくれた。200ドル変えた。1340元だった。

一安心し町を歩いた。服も替えたので暖かい。快適だ。
一回りしてまた駅に来た。暇なので、絵を2枚描いた。
また歩いた。どこまで歩いても同じ世界だ。

丹東は都会なのだ。どこまで行っても大都会だ。
人口300万人くらい。今回の旅は観光が目的ではない。
どっちかというとどこにも行きたくない。迷いたくない。

どこかで拉致されたらどうしようという不安が強い。
なので、どこにも出かけないで町をぐるぐる回った。
知っている所しか歩きたくなかった。

まだ時間がある。ケンタッキーに入ってコーヒーを飲みながら書いている。
この後電車でチチハルに行く。24時間列車の旅だ。
耐えられるだろうか。24時間何をすればいいのか。

想像するだけで、気持ちが落ち込んだ。

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