私の孤独の旅の記録は今日現在で、
A41000ページを超えました。
一年間の大河ドラマができるくらいの量です。
先を急がなければなりません。
2008/12/20 博多
まだ博多にいる。
風邪をひいてしまった。が、薬を飲んで収まってきた。
風邪など年に一度もひかないのに・・・ゆだんしている。
旅に出ると決心して、
実際に孤独の旅が始まってみるととても気が重い。
憂鬱だ。
自分がそうしてしまっている。
せっかくの旅なのだ。
一生に一度しかできない旅だ。
楽しもうとすればいいのだが。―できない。
良いことを考えると悪いことが起きる、
というトラウマがあり、どうしても物事を悲観的に考えてしまう。
俺はいつも最悪を考えて行動している。
会社では、
倒産したときどうするか。
全財産を失ったらどうするか。
社員が全員やめたらどうするか。
―考えてしまう。
家庭では、
自分が死んでしまったらどうなるのか。
旅の途中で死んでしまったら、どうなるのか。
明日、フェリー乗り場まで行けるか。
行けなかったらどうしよう。
途中で車にひかれたらどうしよう。
―みっともないな・・・バックの中のエロ本が見つかったら誤解されるな。
家にはやばいものがたくさんある。
妻が新宿まで送りに来てくれた。
別れるとき妻は、これが最後になるかもね・・・といった。
どういう意味か分からない。
こういう意味深な事をいわれると本当に不安だ。
もしかしたら、妻にもらった薬に毒が入っているかも、
会社を売ってしまうかも、
マンションを手放してしまうかも、
死ぬ気かも。
どうして、これが最後なのか?
今回の旅は今までの旅とは違う旅だと思っている。
―今までのは旅とはいえない。旅行だ。
しかし、冒険家のような過酷な旅は出来ない。
高血圧も心配だし、倒れたらどうしよう・・・
死ぬかも。
しかし、死んだからといって何がどうなるものでもない。
普通に、悲しむ人が悲しみ、喜ぶ人は喜ぶ。
俺が一人が死んだからといって、なにかが変わるとは思えない。
総理大臣が死んでも、天皇が死んでも、なにも変わらないのだ。
俺が死んでもその辺の蟻が死んだと変わらない。
俺は常にいつ死んでも良いと思い、毎日を過ごしてきた。
懸命に生き、懸命に働いた。それが俺の誇りでもあった。
やり残したことはない。
これからやりたいと思うことはあるが、それほどたいしたものでもない。
旅は始まったばかり、これから様々な出来事がある。
一番心配は旅の資金だ。
50万円ほど持ってきたが、これで1年間足りるわけはない。
お金がなくなったときどうなるのか・・・
帰るしかないのか。
お金がなくなりました。といってのこのこ帰れるわけがない。
アルバイトでもするのか、物乞いでもするのか。
できっこない。
なにもできない。できるわけがない。
恥ずかしい。俺は49才の大人なのだ。
あんた、なに考えてるの?
そういわれておしまいだ。
焦る。不安は募る。今から帰るか。お腹が痛くなってきた。
本当だ。血圧も上がってきた。―気がする。
帰れない。
眠れない。
やめれば良かった。
かっこつけなければ良かった。
しかし、朝は確実に来る。
朝になったら、支度をして、バスに乗り、フェリー乗り場に向かうしかない。
嫌々でも行くしかない。
明日は釜山へ渡る。
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