2009年8月13日木曜日

職人

久しぶりにMrxと話した。

彼はずっと旅を続けているが、「今どこ?」と聞くと
南の方です。とか、少し寒いところです。
程度にしか教えてくれない。

私もしつこく聞かないので、どこにいるのかの会話は
いつもそこで終わる。

なので、これだけ付き合っていても、Mrxの居場所を
把握したことはない。

私は、自分がどこにいるのかは、いつもはっきりさせている。
旅に出たときも、今チエンマイ、今広州、今カッパどギア。
など、連絡する。

万が一の時に探しようがないからだ。

日本では、長野と東京このどちらかにいる。
中央東線、特急あずさで茅野という駅までいく。

茅野市が私の故郷だ。

生まれは長崎県島原市大村というところだが、
小学生の時から、父の仕事の都合で、全国を転々とした。

父の仕事といっても、かっこいい仕事ではなく、石屋という
仕事をしていた。お城の石を積んだり、崖を守る石を積んだり
する仕事だ。

つまり職人。

私のいる世界は建築の世界だが、大きいくくりで、
建設業という。

建設業は、私たちの生活の基盤をなしている、
道路、橋、災害復旧、公共施設などを作る土木。
家、ビル、商業施設、マンションなどを作る建築にわかれる。

建設業は、すごい数の人々が携わる。
なので、不況の時は、建設業にお金を回すと、市場が活性化する
と言われてきた。

しかし、それは全部ウソだった。

結局は、業者と政治家と官僚の癒着で、必要のないダムや、高速道路
第三セクター運営の施設などを作り、お金をどぶに捨ててきた。

悪人が利益を得てきた。

私も20代のころ、談合によく行った。
談合とは、入札の前に話し合いで業者を決め、決めた業者が
工事を落札するという、古くからの慣習だ。

いいことではないが、それがあったために、ある種の秩序が守られてきた。
一般に人から見たら、冗談じゃない!ということだが、

関係者からすると、必要悪だ。
なので、この談合というシステムは、未来永劫になくならない。

が、そこに異議を唱えたのが、談合システム、必要悪など関係ない。
という、元田中知事、宮崎の東こくばる知事達だ。

彼らは、できる限り入札がクリーンに行われるように
取り計らった。

そのお陰で、入札価格はどんどん下がった。競争で適正な金額で
なくなるため、業者は赤字行為を請け負い、借金が増えていく。

公共工事も少なくなったため、2重苦。

今建設業者が、国中で倒産している。
残るのは、大手企業のみ。

大手企業は、政治家、官僚に守られているためその地位は揺るがないのだ。
うまくできているね。

土建屋に力がなくなるとどうなるか?

災害時に何もできない。
多くの人たちは知らないが、災害時、大雪の時、水害など
起きた時に、一番苦労して頑張っているのは、

テレビの映像などに出てこない、ニュースにもならない
土建業者なのだ。

災害が起きれば、昼夜なく働く、不眠不休で働く。
お盆の予定など関係ない。

住民、国民が困らないように自分達を犠牲にして働いている。
俺たちがやらなければ誰もできない。と知っているからだ。

底辺で働く、土建屋、住宅業者、職人がいることを忘れないでほしい。

サラリーマン、起業家、作家、音楽家など世の中には
たくさんの職種がある。

数ある職種の中で、職人、建築職人、というジャンルがある。
私はこれから、この世界が伸びてくると想像している。

基礎屋、型枠屋、鉄筋屋、大工、屋根屋、防水屋、クロス屋、掃除屋

年収300万円のサラリーマンをやっているより、
やりがいもあるし、定年もない。

働いただけお金になる。

職人はどんなことを考え、どうやって仕事をしているのか。
一冊の本がある。


日本の匠 住まいづくりの現場で見つけた44の宝物

NY在住のカメラマンが日本にやってきて、職人を写す。
寒気を感じるほどの写真ばかりだ。



職人の生きざま、悲しさ、苦しさ、そして希望。
そのすべてが見事に表れている。

どうすればこんな、人を感じさせ、考えさせる写真が撮れるのか?

職人を知っているわけでもないし、
日本を知っているわけでもない。(奥さんは日本人)

プロだからだ。

本当のプロだから、心のひだまで写すことができるのだ。

私たちはプロだろうか?
本当にプロとして胸を張って行けるか?

考えさせられた。

プロの仕事は嘘はない。

職人は話べただ。
基本的に口を利かない。

しかし、考えていることは筋が通っている。
いいことを言う!

いいことを言おうと思っていうわけではない。
しかし、いいことを言う。





言葉は大切だね。人の心を動かすよ。

今日のプレゼントは、
1.写真集匠 3冊
2.本
3.本

感想と欲しい番号を書いて送ってください。
hidenobulife@improbic.com
私への直通メールとなっています。

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