重度の身体障害をもったビルという青年のストーリーです。
彼は、足、腕なく生まれました。
そして、彼の肩には小さな「ひれ」
のような付属物が付いていました。
もちろん、一目見て(誰もが)ビルがどのような
状況にあるか分かりましたが、
一番感動することは、
彼自身からにじみ出ていている光のようなまぶしいエネルギーでした。
彼の目は本当にきらきら輝いていて、ユーモアのセンスを持ち、
力強ささえありました。
テレビ番組の収録された時点では、彼は20代後半。
成功したキャリアを持ち、結婚したばかりでした。
仕事以外でのビルのミッションは、
感情障害や身体障害を持っている若者が、
よりポジテイブな人生の生き方ができる手助けをすること。
多くの自由時間を使って様々なセンターを訪れ、
子供達がチャレンジ(障害)と取り組めるようにと
活動していました。
彼にとって一番重要なメッセージは、
重度の障害を背負っている若者でも、
自分のことを同情する(かわいそうだと思う)
必要はないことを伝えることだそうです。
インタビューの質問に、ビルはこう答えました。
「人生は、誰に対しても、あるユニークな試練が用意されていて、
本当に一生懸命生きるのなら、それにきちんと直面しなければならないんだ。
不利な状況だからといって、
自分をかわいそうに思いながら生きていくこともできる。
もしくは、不利な状況と思われることが例え何であっても、
それに関わらず、幸せにいきようと「誓う」こともできるんだ。
皆がこの選択を持ってる。
そしてその決断によって、人生のクオリティーが決まるんだ。」
私は、彼の話、そして人生に対するポジテイブな
彼の態度に感動しました。
私はただそのテレビ番組を見ていただけですが、
彼がこうして「ここに」存在してくれることに敬意の念を感じました。
と同時に、私の中に恥ずかしいという気持ちもあったのです。
なぜなら、私自身が、自分を解放できない困難に直面すると、
あらゆる言い訳や理由をつけていたからです。
その番組を見ていて、私はまるで裕福な人が
「まだお金がたりない」と不満を言っているような気分になりました。
番組の中で一番感動したのは、ビルが苦しい(不利な)状況におかれているため、
ネガテイブに、また暴力的にしか対応できない障害を持った若者のために
センターで働いているところでした。
ほとんどの子供が、学校の退学処分を受けていたり、深い怒りをもっていました。
番組の中で、ビルがある男の子と話をしているところが放映されました。
その少年は、自分がどれだけ不幸で、どれだけ障害を持っているかという
暗いストーリーを怒りを込めて語っていました。
ビルは、我慢強くその話を聞き、
少年がいう一言一句逃さないように注意を払っていました。
何度かポジテイブなことをふっても、その少年は即座に彼の言葉をさえぎり
「あんたが言うことなんてくだらないよ」と叫ぶのでした。
すると、ビルは怒った少年を見つめて、優しくしかし厳しく次のことを言いました。
「君と私の違いって分かるかい?
僕らどっちを見ても、一目で皆わかるのさ。
僕のほうが君より障害が重度だってこと。」
初めて、少年は反応を示しました。
「そして、もう一つとっても大きな違いはね、
僕は自分のことをかわいそうだと思わないけど、君はそう思っていること。
人間がもつ一番重度な障害はね
自分がそのままで完璧じゃないと思うこと
常に何かが足りないと思うことなんだよ。
生きている限り、
誰もいろんな苦難や悲劇から逃れることなんてできないんだ。
でも、その困難をギフトとして受け入れ持っているものに感謝するか
一生涯、自分が持っていないものに不満をぶつけるかなんだよ。
ぼくは「感謝」すること、幸せを選んだんだ。」
「君は、今からどっちの道を選ぶんだい?」
すると、少年は涙を流し始めました。
ビルは、30秒ほど静かに座って何も言いませんでした。
そして少年に近づいて、こう言いました。
「もし僕に腕があったら、今すぐに君を抱きしめてあげたいよ。
どうかわかって欲しい。君の事を大切に思っているよ。
そして気にかけているよ。」
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