2010年10月16日土曜日

小さな行動

自分は何もできないし、何も変えることはできない。
もし、あなたが、そう思っていたら真剣にこの話を読んでください。

私が、高校1年生のころ、同じクラスのある男の子が
帰宅しているのを見かけました。
彼の名前はカイル。

たくさんの本を持って歩いているようでした。
私は心の中でふっと思ったのです。

「金曜日に、なんであんなたくさんの本を家に
持ってかえるのだろう。勉強おたくにちがいない」。

私の週末は、予定で詰まっていたので
(パーテイー、友人と明日の昼はフットーボールなど)
肩をすくめて、また歩き続けました。

すると、何人かのグループが彼に向かって走っていき、
体当たりしたため、本は彼の腕から落ち、
彼はバランスをくずし、地面にこけてしまったのです。

かけていたメガネが宙に飛んで、
およそ10フィート離れた草むらに落ちました。
彼が顔を上げたときには、彼の目には悲しそうでした。 

私は彼の悲しみを心に感じ取ったので、急いで私は彼にかけよりました。 

一生懸命めがねを手探りで探していた彼の目には、
涙が浮かんでいました。

私はメガネを見つけ、彼に渡しながら話しかけました。
「あいつらは、最低だよ。いい加減にしろよといいたくなるよ」。

すると、彼は私を見て「ありがとう」
と大きな笑顔を浮かべて言いました。
それは、本当に感謝を込めたときに見る笑顔でした。

彼が本をかき集めるのを手伝い、
そして、どこに住んでいるのかを尋ねると、
驚くことに私の近所だったので、

なぜ今まで見かけたことが無かったのか尋ねました。

彼は、以前、私立学校に通っていたからだと答えました。
確かに、今まで私立学校に通う人とは全く
付き合ったことがなかったので、
なぜ見かけたことがなかったかの理由が分かりました。

そして、彼の本を持つのを手伝って、
一緒に話をしながら家へと向かいました。

段々と分かってきたことなのですが、
彼は、意外と面白いキャラクターだったのです。

土曜日に友人たちと一緒にフットボールを
やらないかと尋ねたところ、彼の答えはイエスでした。

週末ずっと時間を共にし、
カイルのことを知れば知るほど、好きになっていきました。
そして私の友人たちも同じ気持ちでした。

月曜日の朝。また、カイルが山積みの本を担いで歩いていました。

彼を呼び止めて
「まったく。おまえってやつは。毎日こんなに本を担いでいると、
かなりの筋肉がつくだろうよ」。
彼は笑って、半分の本を私に渡しました。

その後数年間、カイルと私はベストフレンドになりました。

高校最後の学年では、カイルは、クラスの卒業生代表に選ばれました。

私は、いつも彼のことを
「勉強おたく(がり勉)」だとからかっていました。
そして、彼は卒業のスピーチの準備をしているのを見て、

私自身が、彼のように人前でスピーチをしなくてよかったと
嬉しく思ったことを今でも覚えています。

卒業の日、カイルを見かけました。
とてもさわやかな顔をしていました。

彼は、高校全体の中で、本当に自分が何をやりたいのかを
見つけた数人の一人でした。
実際、メガネがとてもよく似合っていて、
私より女性から人気があり、デートの申し込みは多かったんです! 

時々うらやましかったなあ。

スピーチの日、彼がちょっと緊張しているのが分かりました。
だから、背中を軽くたたき、
「大丈夫だよ。君なら」と声をかけると、
彼はとても感謝した顔を見せました。

そして笑顔で「ありがとう」と。

ちょっと咳払いをして、彼のスピーチは始まりました。

「卒業は、今まで僕たちをずっとサポートしてくれた
人に感謝を言う時です。
両親、先生、兄弟(姉妹)、コーチ、そして何よりも友人たちへ。

私は、この場をかりて言いたい事があります。

誰かの友人になることは、
その人に「最高のプレゼント」を渡していることと同じなのだということ。
あるストーリーをお話します」。

彼が、僕たちが初めて出会った日のことを話し始めた時に、
私は信じられないような顔を浮かべて彼を見ていました。

なんと、カイルは、その週末、自殺を考えていたのです。
母親が後で掃除をしなくてもいいように、自分でロッカーの掃除をし、
だからあんなにたくさんの本を家に運んでいたことを話しました。

彼は私のほうをしっかりみて、笑みを浮かべ
「ラッキーなことに、僕は救われました。僕の友人が、
僕の人生を救ってくれたのです。」

観衆が少しどよめいたのを耳にしました。

彼はどう見ても、ハンサムで、人気者の少年なのです。
そんな彼が、このような彼の弱い自分を語っているのですから。

彼のご両親が私を見ているのに気づき、
感謝に満ちた笑顔を私にくれました。

その時まで、私はその行動の深さに気付かなかったのです。
(自分が彼にとった行動が与えた影響)

自分の行動のパワーをけっして最小評価しないでください。
どんな小さなことでも、その人の人生を変えることができます。

よかれあしかれ、そのパワーを誰もがもっているのです。
私たち人間が、お互いに影響しあうように命を授かったのでス。
お互いの存在価値を見つけあいましょう。

2 コメント:

厨子 浩二 さんのコメント...

平様

すごく感動しました。
自分自身では人生を変えるとの思いで
言った事ではなくても、その人にとっては
人生を変えてくれた言葉だったのですね。

それを思うと正直、言葉の怖さを思います。
やっぱり人間は言葉で伝える事が重要なの
ですよね。

これからは、自分が発した言葉の意味や
その人に与える影響なども考えながら
かつ自分の本当の思いも伝えなければ
ならないのだと思いました。

今までの私は、どちらかと言うとあまり
後の事は考えずに、思いつきで発言して
いました。その人に与える影響などは、
あまり気にしていなかったように思い
ます。

「お互いの存在価値を見つける」
肝に銘じておきます。
有難うございました。

追伸:今度、高野様及び財津様にに大変
お世話になる事になりました。
どうぞよろしくお願い致します。
住宅経営の総会でお出会い出来ることを
楽しみにしています。

naoki さんのコメント...

おはようございます、平先生


何気ない事で、誰かに希望を持ってもらうことができたら、これ以上嬉しい事はありませんね!


そんな人になりたいと、心から思います。


ありがとうございます。